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円陣家至高油類商

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2012年4月25日

次世代

(1)商品の進化

TCOTCOUはリリース出来たが、一歩先行くエンジンオイルの開発を考えていた

C.P.Oも進化させたいと常に考えていた。

それらを開発するにはどうしても必要な素材があったんだ。朝から晩まで頭から離れず、時には夢に見ることもあった。

実験室で合成を試みるが中々思ったものが出来ない。数式の未知数Xを替えて見た。

つ…ついに出来たぁ〜!社内呼称リキッドメタルが「出来たぁ〜!」ついつい興奮してしまった。

金属素材にコーティングすると言うよりメッキ(熱)すると言った方が適切かもしれない。お客様に何としてもバイクを(四輪も)「末永く乗って欲しい」の一念で考えていたモノだ。

これで次世代のスタンバイ商品が出来る。先ずTCOVSEALSと試作品を創ってみた。出入りしている若い連中や山本鯨にも使ってもらった。

若い連中はTCOVでもSEALSでもOK、後に4ストに転向した山本鯨はSEALSをレースでしばらく使っていたが、その後TCOVがいいとのことでプロになるまでTCOVを使い続けた

鈴鹿8時間耐久などではSEALSが適していた。8耐ではエンジンオイルを継ぎ足す作業が各ピットで見られるがSEALSは無給油(エンジンオイル)で8時間走り通す

一般使用ではSEALS、TCOV共に高評だった。

WOO[R]GEO[R]もリキッドメタルを配合したものが出来たので、4ストに転向する前に2ストでレースをやっていた山本鯨長尾健吾に提供した

SANCTUARY TOKYO WESTの道岡代表も2ストKSRで使用し、4ストミニに転向してからはTCOVとSEALSを上手く使い分けて使用している。TOT(テイスト・オブ・ツクバ)ではTCOVとSEALSを上手く使い分けている。

ビトッチは最初TCOUを使用していたが、TCOVが出来るとTCOVに、今はSEALSを常用している

リキッドメタルはE.G.S[LIMITED]E.G.AFORCE-1(四輪用)、E.G.S[T2]SCOOTCPO[R]に投入された。

夫々の性能が著しくアップした。特にC.P.O[R]は凄い進化を遂げた

E.G.S[LIMITED]、E.G.A、FORCE-1(四輪用)も性能向上は著しく、おいらが思う性能にようやく近づいた

只、これらのエンジンオイル、困ったことにE.G.A添加よりエンジンが更に回るようになってしまった。バルブサージングの限界が高まってしまったのは未だいいにしても、ピストンリングの踊りは不味い踊る時間に比例してオイルが上がって行くので注意が必要だ。

つい回してしまうと言う人はオイル量の点検を頻繁に行って欲しいんだ。車種にもよるが、一番注意が必要なのは回し過ぎによるビッグエンドの焼き付きだ。オイルが規定値まで入っていても焼き付いてしまうので注意して欲しい。



独り言:最近学校の統廃合が著しい。

おいらが小さい時は学校をドンドン造っていた。人口が減ってきているから仕方が無いのかもしれねぇが、おいらには人間が何〜か自然の摂理や法則を無視したために起こった人口減のような気がしてしょうがねぇんだ。

今一度動物の生態を見直してみたらどうだろう・・・・・日本の人口が増えるかも・・・・・




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2012年4月18日

Z2への想い

(3)サイドカバーの盗難とボアアップ

Z2のサイドカバーが盗まれるバイク屋で話題になっていた

おいらのサイドカバーはしばらく盗まれることはなかったが、あるレーシングカート屋に用事があって駐輪して話していたら5分も立たない内にサイドカバーを盗まれてしまった。

バイク屋にサイドカバーを注文した。新しいサイドカバーにはシート下の見えないところに穴を開け、針金で左右のサイドカバーを連結した。その後盗まれることはなくなった。

全くいつの時代でも盗人は絶えることが無い

エンジン飛行機の大会で得た盾やトロフィーや副賞など地べたに置いて、チョット目を離した隙に何かを盗まれた。本当に嫌になる。

それから忘れるとこだった、モニター会合に高砂チェーンの技術屋がいたので、おいらのチェーンメンテナンスについて質問してみた

普通走る前にチェーンにオイルを注すが、おいらは走行後に注すと言った。理由はチェーンが温まっている内にオイルを注せば各部に浸透するのでは?と説明した。

面白い考え方だと言われた。グリスでチェーンを煮るのをエンドレスになってから止めたと言ったら「なるほど」と言って終わった。

話を戻して、Z2のパワー不足に次のバイクを物色していたが、前述したようにバイク屋のアンチャンにボアアップしないかと言われ、しばらくの間Z2に乗る事にした。

ヨシムラのボアアップキットで860ccになったZ2はおいらの予想よりパワフルに変身した

おいらとは別にエンジンをZ1(900cc)にした人がいた。

そっくりZ1のエンジンに交換されていたZ1はアルミの地肌のままなのでZ1とZ2の違いは直ぐに判る。

この人はおいらより年上で飲食店を経営していた。おいらはこの人にバイクのライディングを教えていた関係からか、時々この人のお店に食事に行くと普通盛りの値段なのに大盛りが出てくる。大盛りの代金を支払おうとすると普通盛りだと言って絶対受け取らない。困ったもんだが食べ盛りのおいらにとって大変助かった。

余談だがこの人の自宅に遊びに行った時の話だが、この人の知り合いの漁師が自分用に創った「味付け海苔」を使ったおにぎりをご馳走してくれた。未だにこの「味付け海苔」の美味さを越える海苔を食べたことが無いくらい美味かった。

この人のZはギア比(ファイナル)もZ1にしていた。或る時二人で最高速を試した。おいらのZ2は前にも言ったようにギア比も何もかもZ2のままだ。200km/hまではおいらの方が速かったが、200km/h以上はほぼ一緒で210km/hまで達した。数分間並走したが210km/hで止めた。最高速は210km/hまでしか確認していないが、もっと出せたような気がする加速は明らかにZ1より速かった

簡単だが、これがおいらのファクトリーモニターのZ2話しだ。



独り言:円陣家を始めて間もない頃、関西のお客から頻繁に電話がかかってくるようになった。

E.G.Sハイパースプレーに対する質問等などなんだが、何となく好意的。しょっちゅう話している内にこのお客の素性が判って来た。

バイク屋をやっているらしい。だったら円陣家の商品を売ってみないかと言ってみた。やる気だったらしく、その場でOK。

このお客がセカンドステージの代表である。最も古い付き合いになっている。おいらが困っている時など、昔も今も色んな面でおいらを助けてくれている。

ふと思い出してしちまった・・・・・昔のことを・・・・・心から感謝してます・・・・・




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2012年4月11日

Z2への想い

(2)ちょっと変わったキャブ調整

3個預かったキャブのテストが1ヶ月では足りなく、次の会合まで報告を待ってもらった。

2ヶ月あったんで何とかテストが思った通り出来た。何故時間がかかったかと言うと定置で行うパイロットスクリューの調整をライブで行うからなんだ。つまり全閉から何回転戻しは行うが、その後エンジンの暖気を行い、エンジンをかけたままパイロットスクリューの微調整を行う。その時に排ガステスターを独立した排気管に差し込んでCo2の排出量を各気筒同じ値にしたんだ。

エキゾーストの1番2番の連結と3番4番の連結を絶って測定しなければ意味が無い。

何故排ガステスターを使ったかと言うと各シリンダーのコンディションはマチマチであることと、パイロットスクリューだって仕上げはマチマチなんだから規定値で良い訳がない。だから各キャブ毎に調整してやらなければ各シリンダーのコンディションが揃う訳がないと考えたんだ。

それから四輪の世界では排ガス規制が年々厳しくなって行くので、いつか二輪もと思ったからだ。

今のように集合管だと単にエンジン全体の排ガスしか計ることが出来ないが、当時の四気筒は完全独立ではないが、やり方によってシリンダー毎の排ガス測定が可能だった。

会合でキャブの使用結果を発表をした。3個共各々の特徴を報告し、Co2の値も発表した。

ミクニの技術屋がおいらに「会合終了後残ってくれ」と言われた。会合が終わり皆が帰った後ミクニの技術屋が更に詳しく聞かせて欲しいとの要望でテスト内容を詳しく話した。

ミクニの技術屋曰く、排ガステスターでキャブ調整する試みは初めてで、とても新鮮だったと褒められた。カワサキの技術屋もいたんで、連結前の個所のエキゾーストパイプにメクラボルト付きの測定穴つけてくれるといいなと希望を言っておいた。

説明後ミクニはこのキャブでいくと市販Z2のキャブ仕様が決まった。3個の内どれだったか忘れたがテストした中で一番感触の良かったヤツだと思う。残りの2個は記念にプレゼントしてくれたが、後にモニターに推薦してくれたバイク屋のアンチャンの頼みで2個ともあげてしまった。

ってなことでZ2の部品は何も残っていない

モニター会合も半ばになってくると、おいら以外ほとんど発言するヤツがいなくなってしまった。中には欠席するヤツまで出てくる始末だ。何だかんだと楽しいファクトリーモニターだった。

Z2のキャブ調整はその後も同じやり方で行った。

バイクも集合管スタイルが多くなり、排ガステスターが使えなくなってきた。でもおいらはパイロットスクリューのライブ調整は続けた排ガステスターの代わりにタコメーターを使う方法で行った。

先ず、定置でスクリューを規定値に戻し、エンジンを暖気して各キャブのパイロットスクリューを左右に回して、一番回転が上がるところで止める。これをキャブ毎に行い最終的にアイドリングを規定値にする。

この調整方法の起源はエンジン飛行機の焼玉アルコールエンジンだ。この模型のエンジンのキャブに相当するところに可変ジェット式のニードルバルブが付いていて、このニードルを回すことでエンジンの最適回転数を設定出来る。

単純だが理に適っている。

小さい時から、この模型のエンジンをいじってなきゃ発想出来なかった調整方法かもしれない。勿論、Z2から始めた訳ではなく、以前からこの調整方法でキャブセッティングをしていた。



独り言:ガレージ兼研究室に相当な工具や作業機が揃っている。

工具類を揃える切っ掛けをつくってくれたのはファット・ボブ(愛称)だ。身体がデカく、おいらのところに来ている若いヤツ等の中で一番の力持ちだ。

こいつが未だ暇だった頃のおいらを時々連れ出し、工具ツアーやホームセンターツアーと称して工具屋やホームセンターに連れて行ってくれた。最近ツアーに行かなくなった。ツアーに行ってた頃が懐かしいぜボブ・・・・・




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2012年4月4日

Z2への想い

(1)ファクトリーモニターとは

先ずはZ2ファンの方ゴメンナサイ。

ってぇのは当初のZ2の印象が悪かったんだ。Z2の悪口言ってしまうかもしれないので勘弁してくんな。

Z2に乗る切っ掛けは前述したようにファクトリーモニターとしてZ2のオーナーとなったんだ

出来るだけモニターについて語ってみたいが、なんせ古い話なんで欠落したり勘違いしたりするかもしんねえが勘弁してくれ。

おいらは2ストが大好きで、若いときクズ屋で買ったホンダのC110に乗ったことを除けば、Z2に乗るまでほとんど4ストに乗っていない。Z2の直近のバイクは2スト空冷3気筒の750マッハV/H2で、しばらくの間Z2と並行して所有(乗っていた)していた。

モニター車が来たとの連絡が入り会社が終わるのを待ってバイク屋に駆けつけた。納車整備も終わってピカピカで眩しかったのが第一印象だ。

エンジンをかけてみた。四気筒サウンドがたまらない。同じ四気筒のCB750とは全く違うサウンドだ。排気音はCBに比べZ2の方が太いように感じた。

早速試乗してみた。気になる個所が何点か出て来たと言うより出ていた。

先ず、フロントサスのカタカタ音点火装置(進角)がおかしく停止してから発進しようとすると息をついてエンストしそうになる。その他何か理由は解らないがキャブがおかしいような気がした

第一回モニターの会合時に、フロントサスのカタカタ音と息つきは、ほぼ全員から報告された。キャブについてとホイールベースの問題かは不明だったが直進安定性について提言したのはおいらだけだった。フロントフォークのカタカタ音と息つきはメーカーも解っていたらしくフロントフォークと進角装置はカワサキ東京営業所で我々がディスカッション中に交換されていた。

キャブについてはおいらだけだったので、おいらとミクニの技術屋と一問一答が始まった

低速域、中速域、高速域までの体験を話したところ、ミクニの技術屋から社に持ち帰って検討すると言われた。ミクニの技術屋としては想定外の意見だったらしい直進性の問題もカワサキの技術屋としては想定外だったようだ

次のモニター会合の時、ミクニの技術屋は四連キャブを3セット持ち込んで来たカワサキの技術屋は確か20mm長いスイングアームを持ち込んで来た。スイングアームは会合中においらのだけ20mm長いモノに交換したことを告げられた。

キャブは3セット、会合後にミクニの技術屋から直接手渡されテストしてくれと依頼された。確かベンチュリー径は3個共一緒だったと思う。キャブバレルの中に開いている小さな穴が微妙に違っていた。次の会合までに3個のキャブをとっかえひっかえテストした。

次の会合の時にスイングアームの延長に於ける操縦性の報告を行った。スイングアームを20mm延ばしただけで、こんなに変わるのかと言うくらい変化した直進安定性はもとよりコーナリング性能が著しく向上したのだホイールベースとキャスター角のバランスがとれたのかもしれない

確かこの報告でZ2のホイールベースは決まったらしい。キャブについては次の項で・・・・・



独り言:おいらのところに出入りしているヤツがガンコートの仕事を始めた。

ヤツは元々車体整備士のライセンスと二級整備士のライセンスを持っている。おいらが勧めた板金塗装の専門学校卒業後四輪整備の世界に入り、後に二輪整備の世界に入った。中々芽が出ず、おいらも気にしていたんだ。ズーっと温めていたヤツに対する計画があって実行に移した。

SANCTUARY TOKYO WESTの道岡代表に前もって頼んでおいたんだが、ヤツの就職を依頼した。

道岡代表の店も丁度転換の時期に来ていたので時期的にもグッドタイミング。ようやく塗装の技術が活かせることになった。

専業なんで頑張って欲しいものだ。アベちゃん・・・・・




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