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1994年 SUZUKI GSX1100S刃
当インプレッションは現在販売されている商品、EGS[LIMITED]を開発するベースとなった商品に対するモノです。かつて千葉県柏市の量販店、Ricolandさんで円陣家至高油脂類の拡販にご尽力頂いたMさまよりお寄せ頂きました。
とても長いので分割にての掲載となります。
「当時のテスト車両(愛車)
1994年 SUZUKI GSX1100S刃
仕様 エンジン:ノーマル
排気系 USヨシムラサイクロン
吸気系 ヨシムラTMR-MJN40
ノーマルエアクリーナーBOX加工+K&Nリプレイスメントエアクリーナー
足回り フロント:ノーマル リア:ノーマル
制動系 F300mmステンレスディスクローター
ブレンボ キャスティング4Pキャリパー
プロジェクトμスペシャルメタルパッド
EGSスプレー(EGS[LIMITED]開発のベースとなった商品)が一番最初に試した商品です。
まだ、ライコランドの売場のリーダーをやっているころなので、17〜18年くらい前のことになります。
その時は、仕入先からの新商品(すでに他店:ドラスタで店頭に並んでいた)の紹介でサンプルを1つもらいました。
そんなに強い売り込みではなく、こんな商品もあります程度でした。
昔から添加剤的なものは好きで、取扱商品はもちろん、それ以外にも沢山試しました。ほとんどの物が、商品説明に記載されている効果は実感できるものの、体感的にはイマイチなものがほとんどでした。
EGSスプレーの取扱説明書にも他の添加剤と同様(ほとんど同じパクリ的)な効果が記載されていました。
唯一の違いが添加方法です。
乱暴にも
「プラグを外し、プラグホールから直接燃焼室にスプレーして下さい。」
的なことが書いてありました。
なんて乱暴な!
と思いながらも、ほとんどの添加剤はオイルへの添加で、ピストンリングから上の燃焼室へは関係ないんじゃん?と思っていたところだったこともあり、
「あ〜なるほどね〜」
とあっさり納得してしまいました。
実際にやってみることにしましたが、なんと噴射時間が「1シリンダー15〜20秒」と書いてあるじゃないですか!
そんなに噴射し続けたら、ウォーターロックを起こしてコンロッドにダメージを与えちゃうんじゃない?と心配になりました。
以前にGSX-R400に乗っているころ、キャブのオーバーフローで、ガソリンが燃焼室にたまり、ウォーターロックさせたことがありました。
でも、今度のテスト車両は1100cc!GSX1100S刃です!
基本的にエンジンはノーマル、排気系をUSヨシムラサイクロン&吸気系はヨシムラTMR-MJN40+K&Nフィルター!ノーマルパワーは後輪で、98PS/7500rmpです。(4速でパワーチェック)
それでも、恐る恐るプラグホールからスプレーしました。
さすがに、ウォーターロックの怖さを知っている為、20秒はできず、とりあえず15秒を各シリンダーにスプレーしてみました。
取説通り、プラグを戻し、エンジン始動!さすがに、一発ではエンジンがかからず、セルをまわすこと数秒。エンジンがかかった瞬間とんでもない事が!
一瞬焦りました!
エンジンブローしたかのようなものすごい量の真っ白な白煙がマフラーから出るじゃないですか!
「もしかしてやばい?」
説明書きにもそんなこと書いてなかったと思います。
とりあえず、恐る恐るアクセルをアオリますが、一向に白煙が止まりません。ただ、エンジン自体は特にグズってる様子もなく、いつも通り快調に吹けてます。
とりあえず、勤務中の昼休みだったので、白煙が大分おさまってきたところで、キーをOFFにして終了。
仕事も終わり、家路につこうと、暖気をはじめます。
アクセルを2〜3度アオリ、エンジンへガソリンを送って、セルをスタート!
いつも通り1発でエンジン始動。
ただ、なんだかまだ硫黄臭い臭いが残っている。
とりあえずタバコを1本吸い、カムヘッドが暖かくなったのを確認して、いざ出発!
ん???
心なしかエンジンが軽い?たいした効果ではないが、調子が良くなった感じする!キャブを変えてから、日によってエンジンの調子が良い時とそうでもない時があるので、単に今日は調子の良い日かな?と思いあまり気にせずに全開へ!
ミラーを見ると、2stか?と思う量の白煙がまた出るじゃないですか!
「まだあのスプレーが残ってるのかな〜?」
と思いつつも、あまり気にせずいつも通りにアクセルを開けます。調子よく走るも、そう長く全開できるほど日本の道路はできておらず、信号につかまり、自分の意志とは関係なくとまること数回。ふと、エンジンの異変に気づきました。
アイドリング時のエンジン&排気音に迫力が無いんです!
KATANAオーナーならわかると思いますが、あのゴリゴリ、ゴロゴロとした感じがかなり無くなっているんです。
あの、重いクランクがゴロンゴロン回っている感じが無くなっちゃったんです!
極端な言い方をすると、最新の(17〜18年前当時)ホンダの直四エンジンみたいなアイドリングをしているんです!
異常事態です!」
つづく・・・・・
1994年 SUZUKI GSX1100S刃
当インプレッションは現在販売されている商品、EGS[LIMITED]を開発するベースとなった商品に対するモノです。かつて千葉県柏市の量販店、Ricolandさんで円陣家至高油脂類の拡販にご尽力頂いたMさまよりお寄せ頂きました。
とても長いので分割にての掲載となります。
「・・・・異常事態です・・・・・のつづき・・・・・
「とりあえず、国道手前の路肩にバイクを止め、ヘルメットを脱ぎ、アイドリングしている愛車を眺めるも、やっぱり静かになっていることを確認しました。
よくわからないものに騙されている感じのまま、再スタート!
全開時にはわからなかったことが1つ!
5速3000rpm、法定速度50km/h+αで巡航!
「間違いなく振動が無くなってる!」
しかも、
「ノーマル並みに静か」!
そうこうしているうちに、自宅へ到着!
あの、「味」と思っていた振動とゴリゴリ感はどこへ行っちゃったの?と思いつつ就寝。
翌日、いつも通り出勤するも、国道の渋滞のすり抜けの2速&3速がやたらスムーズ!
絶対に何かおかしい!
ただ、4000rpm前後の振動、そこだけは健在!やっぱりKATANAだと再認識(笑)
逆に大きくなった?逆にそこだけ目立つようになった?????
その日の帰りにもう一つ新たな発見!
「エンブレが効かない!」
ちょうどキャブセッティングで使う国道の長い橋がある。全長で2kmくらい?
その橋に約120km/hくらいで進入し、橋のエンドで最高速といった感じを、オールクリアだったこともあり、実施!
橋の中間付近ですでに、180km/h、メーターは振り切り、タコの針だけがどんどん上昇していく。
橋も終盤に差し掛かり、ここからアクセルoff!で橋を降りる。
いつもならほとんどブレーキなしでエンブレと惰性でちょうどよく行くつもりだったが、・・・・
まさかのフルブレーキング!
「やばい!減速が間に合わない!」
と即座にフルブレーキングをするも、180度ターン的に橋を降りるのが、・・・
減速が間に合わずそのまま直進することに・・・
2st並みのエンブレの無さに戸惑う??????
どう考えても、エンジンの調子の良い悪いの状況ではない!何かがエンジンを大きく変えてしまったことにようやく気付くことに!
3日目のエンジンは好調!さすがにもう硫黄臭い臭いや白煙は無くなったが、相変わらずアイドリングは超静かに迫力を失ったまま。
その後エンジンにちょっとイタズラ的に5速1000rpm走行をするも、グズることなく出来てしまうことに、びっくり!
次に、5速2000rpmから即全開!
今までなら、キャブの加速ポンプの影響から必ず失速してモタついてから加速に移るのだが・・・・・
失速することなく、多少のモタつきはあるものもちゃんと加速するじゃないですか!
絶対におかしい!!!!
よくわからないけど、やっぱりおかしい!」
つづく・・・・・
1994年 SUZUKI GSX1100S刃
当インプレッションは現在販売されている商品、EGS[LIMITED]を開発するベースとなった商品に対するモノです。かつて千葉県柏市の量販店、Ricolandさんで円陣家至高油脂類の拡販にご尽力頂いたMさまよりお寄せ頂きました。
とても長いので分割にての掲載となります。
「・・・・よくわからないけど、やっぱりおかしい!・・・・・のつづき・・・・・
「自分の持っている知識と情報ではその理由は解明&説明がつかず、メーカーである油職人さんへ電話で聞いてみることに。
電話し、状況を伝えるも、油職人さんは意地悪にその答えを教えてくれませんでした。
小一時間もの電話の内容は、EGSスプレーの成分と一般的なオイル添加剤(塩素系PTFE系)の成分とその作用のみの話でした。そこから自分なりに調べた結果(あってるかどうかは知りません)とりあえず自分なりの答えは見つけることができました。
その前に、一般的なオイル添加剤の即効性の効果のプロセスに唖然としました。
結構、体感性の高い(大きい)添加剤は塩素系であること。(これ結構重要!)
それと、必ずと言っていいくらいテフロン(PTFEもしくは、TFE)が入っていることです。
塩素は常温のままだと、非常に極圧性能が優れていて、圧力がかかっても摩擦係数を上げることなく良く滑ることが可能なんです!
ただし、あくまでも常温の状態です!
その逆の悪い効果もありました。
塩素はオイルの分子構造を破壊してしまうんです!
短時間の間に10W-40のオイルが、0W-20くらいのシャバシャバのオイルになるんです!
それが即効性の正体でした。だからエンジンが軽く回るようになるんですね。それじゃオイルの油膜もダメになるんじゃん?そう思いませんか?
そこを塩素がカバーするってシステムのようです!
じゃあ問題ないね!って感じですが、新品の状態ならそれでもOKなんですが、もう1つ重大な問題も見つけてしまいました。
オイルは使っていくと黒くなりますよね。
それってエンジンの汚れと思ってる人多いですよね。私もその1人でした。
実は、あの黒さは半分以上は「焦げ」によるものなんです。
料理をする方はよく知ってると思いますが、てんぷら油って使い回ししません?
使っていくとどんどん黒くなっていきますよね。
それは油がどんどん焦げていくせいなんです。
焦げ=酸化ってことです!鉄で言えば錆ってことです!。
因みにオイルが酸化するってことは、添加剤も酸化してくってことなんです。
添加剤の主成分は塩素!塩素が酸化すると何になるかわかりますか?
塩酸なんです!
とは言っても、理科の実験やテレビで見るようなジュワーと鉄を溶かしていく強力なものではないようですけどね。でも、何ミクロンとかの深度でシリンダーやピストンリングを犯していってることには違いないようです。
ちょっと反れてしまいましたが、そんな成分がなんと!EGSスプレーの中に入っているんです!びっくりです!
でも、EGSスプレーの処方ですが、オイルには混ぜないで、燃焼室(ピストンリングの上)なんです。
そこで、ピンときました。
塩素やテフロンは一概に悪いものではないんですよね。
テフロン加工のフライパンって知ってますか?(料理ネタですいません)あの加工が燃焼室にされてると想像すれば、今回の私のKATANAに起きた不可思議な現象が説明できるんです!(それ以外は説明付きませんでした(^_^;))
まず、エンジン音(排気音じゃないですよ)ですが、これはエンジンの摩擦音(フリクションノイズ)が大きいんです。シリンダーとピストンリングの擦れる摩擦音が、テフロン加工されたシリンダーにより、軽減した結果と思われます。
それと、今まで「味」と思っていた、KATANA独特のゴリゴリ感は重たいクランクのせいもありますが、ピストンの首ふりによるシリンダーへの打撃とその引っ掛かりによる摩擦音のようです。
ちょっとマニアックな話ですが、KATANAのエンジンが設計されたのが、1980年頃です。その当時バイクでは空冷が主流です。さらに設計の精度は現在と比べると超大雑把のようです(笑)。
注目したいのは、金属の熱膨張!
シリンダーは外気(走行風)で冷やすことができるが、ピストンって何で冷やします?
そうなんです!特に冷やすものが無いんです!
常に700度くらいの燃焼温度をダイレクトに受けているんです!
ってことは、空冷エンジンはどうしても、ピストンの熱膨張分を考慮して、冷えてる状態ではシリンダーとピストンの間にには必ずクリアランスがあるんです。
しかも、今から30年以上昔の安全マージンを見据えたクリアランスが!
そう考えると、その当時のバイク(空冷)を乗ったことのある方や、今のバイクを知ってて旧車に乗ってる方は、「なるほど!」と思ってくれると思いますが、当時の空冷エンジンはとにかくエンジンノイズが大きく、振動も大きいものばかりだったと思います。
それを、そのバイクの「味」とかってに解釈していたのは、私だけではないんじゃないでしょうか(笑)。
ってかなり、長くなってしまいましたが、私のKATANA「味」をも消し去ってしまった常識はずれな、オイルではなくエンジンの添加剤に初めてであった瞬間でした!
自分の中での久しぶりの「HIT!!」なものでした。
それと、今までに逢ったことのない、ちょっと変な意地悪(?)な社長?と長いお付き合いをさせてもらうことになるとは・・・もう17〜8年?
その後も現在の円陣家ラインナップを含め、お蔵入りになったものまで、数々のテストをさせてもらい、ケミカルの世界に少しづつハマってしまいました。
私の記憶も不安ですが、またインプレ紹介しますんで、よろしくお願いいたします。」