HOME » 油職人今昔話
最近「無欲」と言う言葉が気になる。
若い頃、ギラギラしていたものが無くなっていくに従って欲も無くなっていくのが感じられるようになった。
最初は歳で体力や気力が低下していったものと思っていた。
確かに体力は若いときに比べれば低下するのは当然と思うが、気力は気の持ちようで体力ほどの低下は無いと思っていた。
欲と言っても色々あるが、物欲は確かに100%ではないが無くなってきた。
仕事に対する意欲は低下するどころか高まっている。高まっている欲は未だある。無性に何か創りたい意欲だ。
仕事に対してもモノ作りに対しても今までの欲とは何か違う。未だに何だか解らない。
我慢出来ずATF用の添加剤を創ってしまった。
いつものように円陣家に出入りしている方々に使ってもらった。評判は・・・・・な・い・し・ょ・・・・・
おいらのとこに出入りしている若者の何人かがラジコンカー(エンジンカー)をやっている。奴らにアルミロー付けでチャンバーを創ってやろうと思っている。考えただけでも何かワクワクしてくる。このワクワク感は模型エンジンがおいらの原点だからかも・・・・・
商品創りも開発当初はコストを意識せず行っている。
コストを意識すると想ったものが創れないことをサラリーマンの時に体験している。
そんな体験からか油の試作は極端な言い方すればコスト無視である。
勿論商品化する時はコストを意識する。
円陣家至高商品のコピー製品を見かけるが、どんどんコピーして欲しいと思っている。
以前からコピー製品を見る度に想うのだが、見た目や用途をコピーするのではなく考え方(今昔話を書いた理由の一つ)をコピーして欲しいと想っている。
何故かと言うと結構身体(バイクや車)にとって悪いものが含まれているものがあるのはいただけない。
何故コピーを推奨するのかと言うと、良いコピー製品なら最終的にお客様が得するからである。
円陣家の商品は知名度も低く販売量もナノ的、どんなに性能が良くても販売量はたかが知れている。知名度(宣伝広告をしている)のある会社であればお客様も躊躇することなく購入使用してくれるからだ。
コピーする会社は開発費がかからないのだから販売価格を低くして欲しいんだ。販売価格が低ければお客様も得するからだ。出来れば円陣家至高の商品を越えて欲しいものだ。
オランダのフィリップス社がカセットテープを発明、特許を取得して独占販売といくところが、特許を無償公開した。ベーターマックスとVHSの戦いのように特許⇒独占販売は最終的にユーザーに悪い影響を与えてしまう。
そしていつかは消滅していく。
だがカセットテープはどうであろう。未だに残っている。CDやメモリーカードが当たり前の時代にだ。フィリップス社の先見性に脱帽である。
おいらは特許なんてぇものは取らない。真似して欲しいからだ。これは若い時に体験したフィリップス社のカセットテープの影響はあると思う。オープンリールテープ、8トラックエンドレステープそしてカセットテープと、その間にソニーのUカセットと言う現存するカセットテープよりサイズの大きなカセットテープもリリースされたが、いつの間にか市場から消えていった。
以前にも述べたがコピーは人間の本能、誰も止めることは出来ないからだ。
だからこそコピーを自覚している会社はコピーしたものを超える製品をお客様に提供して欲しいと想っている。いつの日かチェーングリスではなく、チェーン浸透潤滑剤と言う名の商品が主流になってくる予感がする。
エンジン、飛行機、バイク、車、鉄砲、カメラ等々・・・・・日本人が考え出したものではない?・・・・・